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それはきっとはじまりの合図。(カヲル×アスカSS):竜神 貢

こんにちわ。最近、色々とやらなきゃいけないこと多くてほんと放置でした。
いやいや、まだ放置が続くのですが;;(汗)
原稿が(エヴァR指定分)まったく進まないものできっと落とす勢いです・・・;
(完成はさせてサンクリ合わせがムリでも本は遅くなっても作るつもりです;;)

毎回ポチポチと拍手を押していただいたり、こんなまだまだ何もないサイトに遊びにきていただき感謝です。
お返事も書きたいのですがまだ少し先になります。スイマセン><;
大好きなHPの管理人様にもお越しいただいてそしてありがたくもコメントも頂いておりますが、
もう少しお返事お待ちください。

今回は相方の貢がLAKネタでSSを書いてくれたのでソレを掲載させていただいてますwww

追記にて本文が読めますのでお楽しみください。


それはきっとはじまりの合図。(カヲル×アスカSS) :竜神 貢


きらめく水面。塩素の香り。水の滴り。ひらめくタオル。そして歓声。
学期末のプール授業は、先生黙認で自由に楽しむ時間と化している。
そんな中、アスカとカヲルはすぐ横のプール用具室にいた。
棚の上に無造作に積まれたホイッスルや、無理やり積みあげて傾いているビート板の山が片付けられるのを待っていた。

一方、窓からはプールで湧き上がった歓声が聞こえる。

「ったく、なんで見学者が用具室掃除なんてするのよ!」
「そうだね」
苛立ちを隠せないアスカに気のない返事が返ってくる。
本当なら、私もあのキラキラ輝いてる水面の中にいて、ヒカリと楽しく水遊び中…じゃなかった、
プール授業を受けている筈だったのに…。
急に始まった、女の子の事情…。
その為に、今日はプール授業を見学せざるをえなかった。
そこで予想外の、体育館用具室片付けという作業まで押し付けられることになるとは、本当についていない。
「しかも、なんでアンタまで見学なのよ?」
アスカの睨みをきかせた目線をサラリとかわして、棚の上のホイッスルを並べていたカヲルは笑顔で答えた。

「さぁ?」

数秒間の気まずい沈黙が流れる。

「…セカンドはどうしてなんだい?」
「……アンタねぇ。普通、レディにそういうこと、きく?」
「聞いちゃマズかったんだ?」
これだから、デリカシー皆無の男と一緒なのはイヤなのよ!
アスカはイライラしつつ、用具室内をぐるぐると回る。
そんなアスカを横目に、カヲルは着々と片付けをすすめている。
「アンタ、少し空気読みなさいよね!」

勢いよく、アスカが翻した指先が、今にも倒れてきそうなビート板の山に触れたその時だった。
アスカの背丈ほど積み上げられていたビート板が、一斉に崩れてきたのだ。

「え…」
「アスカ!」

一瞬の出来事だった。

カヲルがアスカを庇うように、崩れるビート板の山との間に割り込んだ。
そのまま2人して床に倒れこみ、ビート板に埋もれてしまう。

「…大丈夫かい?」

アスカが目を開けると、すぐそこにカヲルの顔が迫っていた。
端正な顔立ちと透明感のある赤い瞳に、見とれてしまった一瞬に、思いあたる。
使徒のコアと同じ色だ…。

「どこか痛い?」
「…びっくりした」
「ま、崩れるかもとは思ってたけどね?」
カヲルが頭の上や背中に乗ったビート板を、アスカにぶつからないように払いのけた。
アスカは身動きもしない。

「……ってた」
「え?なんだい?」
「…アスカって、言ってた」
「ええと…」

カヲルは頬をポリポリと指先で掻くと、珍しく少し困ったような表情を見せた。

「アスカ、だろ?」
頬を掻いた指先が、アスカを指さす。
アスカは床に寝転がったまま、呟いた。

「アンタが、助けに入ってくるなんて、思ってなかったから…びっくりしたの」
「…やれやれ。そんなに信用ないかな」
ため息をついてみせるカヲルに、アスカは少しイラつきを覚えた。

「…好きなら好きって、言いなさいよ」
カヲルが目を細める。

「言ったらどうする?」
「そ、それは…」
「アスカが好きだ。好きでたまらない。そう言われたら?なんて答えるんだ?」
「…はぐらかさないで。で?どうなのよ?」
カヲルは何も答えず、アスカの上にのしかかった。
使徒のコアと同じ色の瞳が近づいてくる…。
気付くと、唇が触れ合っていた。

「これが答えだよ」
「…な、なにすんのよっ!」
閃いた右手をカヲルは難なく受け止めた。
カヲルがアスカの両腕を押さえつけ、再び、唇が重ねられる。
プールからは変わらず歓声が聞こえるが、用具室はやけに静まり返っていて、唇の触れ合う微かな音が随分大きいと感じる。

赤い瞳は、絶えずアスカの瞳を見つめたまま。
なんだか体がゾクゾクとして、アスカは身を震わせる。

「や…っ!やぁ…」
慌ててカヲルをはねのけて、起き上がった。
「好きってのは、こういうことだよ」
カヲルが耳元で囁く。
アスカは必要以上に赤面している自分が恥ずかしくて声を荒げた。

「こ、こんなこと、普段はさせないんだからね!今回のこと、光栄に思いなさいよね!」
「ハイハイ」
カヲルは少し困ったような表情で答えると立ち上がった。

ピピー! プールから大きな笛の音が響いた。

「終わったみたいだね。ぼくらも行こうか」
「…ホイッスルを吹くのは終わりの合図だけじゃない。ってね…」
アスカの呟きにカヲルが反応した。
「え。なにか言った?」
「なーんにも言ってない」
背をむけて戸口に向かうカヲルの背中に、寂しさを感じたのは、自分だけの秘密。
アスカは体の埃をほろうと、カヲルのあとを追い、初夏の青空の下へと踏み出した。



END
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