2011.03.28

LAK SS Garden of Eden5話:葛西えま

SSを更新してみました。
まだまだ原稿中で息抜きがてらで書いたものなので;;

そしてまた原稿にもどります+8+;



頭の中でリピートするカヲルの言葉・・・
いやな黒い気持ちがグルグルと心の中で渦を巻いているような奇妙な感覚。
そのことでイライラとしてしまう。

親友のヒカリが泊まりにきてくれたおかげで、騒いでいた気持ちが少し落ち着いてくる。

「ヒカリって癒し系ね」
アスカが何気なくそう呟くとダブルサイズの大きさのベッドの上で寝そべっていたヒカリがきょとんとした表情で顔をあげた。
「アスカったら何言ってるのよ」
「そう思ったから思ったことを口にしたんだけど」

ドレッサーの前に座りアスカは金色の髪をブラシで念入りに梳いた。
ため息をひとつつくと鏡を覗き込み前髪を整えアスカはブラシを陶器のトレイに置いた。
ヒカリと色違いの黄色いパフスリーブの部屋着に着替えたアスカはスリッパを足元でそろえて脱ぐと、
「そう言えば今日さ隣に変な男の子が越してきたわ」
ヒカリの隣に同じように寝そべると大きく体を伸ばし頬杖をベッドの上でついた。
「変な子って?」
ベッドのヘッドボードが足先に当たると体をもう少しだけ移動させた。
「ほんとおどおどした感じでさ、カヲルをみて頬を赤くしたりとにかく気持ち悪かったわ」
アスカは思い出しながらうんざりした感じに舌先をぺろりと出す。
「アスカったら!」
「だって同じオトコにたいして頬赤らめるかしら?」
やれやれと肩をすくませると、その言葉にヒカリはため息をついた。
「だってアスカのお兄さんはすごくきれいな顔立ちだから・・・そのわたしが
もし男の子だったとしたらだけど、ひょっとしたら同じ反応するかも知れないわ」
贔屓目でみないとしても実際カヲルの容姿は誰がみてもと思ったが、
横にないないそれはないと打ち消すようにアスカは首を振った。
「もしヒカリが男の子であってそういった反応をカヲルにしたとしても、あたしはヒカリなら気持ち悪いなんて思わない」
「アスカったら」
ヒカリは困ったように頬を赤らめた。
「あの子とヒカリじゃ大きく違うんだって!」
「じゃあ、アスカはもしお兄さんと兄弟でなかったらどうだったの?」
「え?」

以前はそんなことまったく考えもしなかったとおもう。
『だけど、いまはどう?』
言葉が喉の奥でひっかかる。
想像ですらできない。

カヲルが兄でなく自分と血のつながりがないこととか。

「たしかに・・・カヲルならいいかなぁって思うかも。でも残念なことにあたし達は兄弟だもん」

『いままで1度も考えもしなかった?』

カヲルが言っていた。好きな人がいるという言葉が再び脳裏に浮かんできた。
頭で何度もリピートする程、やはりショックだった。

だが、カヲルは年上で15歳なんだし、好きな相手のひとりやふたりいても当然。

むしろ自分が知らないだけで恋人だってもういるかも知れない・・・
そう思うと胸の奥が吐きそうな感じでもやもやとしてくる。

その心の言葉をかき消すように。
「ヒカリはどうなの?うちのカヲルのこと・・・いいとおもうの?」
ヒカリは顔を赤らめた。
「アスカなにを急に言い出すの・・・」
カヲルを嫌いじゃないのは見ていればわかった。
「すき?」
その問いかけが自分の中で反響する。
「好きとか嫌いとかそんな言葉では・・・アスカのお兄さんなんですもの・・・」
あたしの兄であたしはカヲルの妹。
カヲルはあたしの兄弟であって血を分けた肉親。
「じゃあ、嫌いではないのね」
「アスカやお兄さんのことを嫌う人なんてわたしはいないと思うわ」
「まあ、でもカヲルはとにかく世渡り上手しあの顔だからいいなって思う人は多いけど、あたしが好かれるなんてないって思う。だって性格がきついンだって自覚はあるもの」
「アスカ・・・アスカは十分女の子が見ても可愛くて、それはお人形のように愛らしいから少しくらい性格がきつくても好きって言ってくれる人はいるわ!」
「そんなこと言ってくれるのはヒカリが優しいからよ。ヒカリならいいって思うんだけどな」
愛情のこもった顔をヒカリに向けるとアスカは言葉を続けた。
「アスカったらほんとなに言ってるの?」
「カヲルに好きな人がいるって聞いたから」
親指のツメをかむとアスカは続けた。
「大好きなヒカリだったらいいのにって。ヒカリならあたしだって大歓迎だし許せるのに」
「お兄さん好きな人がいるの?」
ヒカリに抱きつくように腕を回すと「他の人じゃイヤ・・・そう・・・ イヤっておもう」小さくいう。

「あたし自分が思ってた以上にブラコンなのかも知れないわ・・・」

ヒカリを抱く指に力がこもった。




翌朝早くにはヒカリが自宅に戻るので少し早い時間に2人は朝食をとった。

ヒカリを1階の玄関まで見送り、階段を上がると丁度隣に越してきたシンジが新聞を取りに出てきたところだった。向こうは何か言いかけたがアスカはみなかったふりをしそのまま部屋のドアを開けてはいった。




「いやな顔を朝っぱらからみるハメになるなんて」
「誰のことだい?」
「あ・・・」
目の前にカヲルが突然現れたので驚いた。
「おはよう。なんだヒカリちゃん早くに帰っちゃったんだね」
「うん。今日は朝に出かけるらしくって」
「残念だね。折角朝から一緒に出かける予定立てたみたいなのに」
「その格好。カヲルはどこかにでかけるの?」
すこしいつもと違う服装がアスカの目に映った。
「ああ、ちょっと出かける用事ができて」
「ふーん、なんだかめかしこんでるけどデートかなにか?」
「そんなところかな」
「えっ?ほんとに・・・」
目を丸くしたアスカが声を上ずらせてもう1度聞くと言い訳のように「冗談だよ。そう聞いてくるからそう答えただけで人に会う約束があるだけだよ」

「あっそう、分かった。じゃあ、いってらっしゃい」
不機嫌そうな声を出すとカヲルに背中を向け部屋に入ろうとドアノブに手を置いた。
その手にカヲルの細い指が触れると反射的に手を引いてしまった。
「なにか怒らせた?」
「なんでもないわよ。気にしすぎじゃない?」
「でも・・・ちゃんと目をみて言ってくれないかい?」
覗き込むカヲルの目が真剣なのでアスカは目をあわすことができなくて困った。
「ちゃんとみてるけど・・・もういいじゃない」
「みてないし、ちっとも良くないよアスカ」
今カヲルの目をみてしまうと何か別の言葉が口元から溢れて出てきそうだった。
「アスカがイヤならいかない。断るから・・・」
カヲルに両肩を抱きすくめられアスカは顔を上げる。
「行っていいんだってば。本当に・・・」
言ってる言葉と表情がちぐはぐしていて目の前のカヲルが困った顔をみせる。
「アスカどこか痛いの?」
涙がなぜ出てくるのか分からないがアスカの目から零れ落ちる。


「あたし・・・カヲルが好きなの。すごくおかしいって分かってるんだけど好きなの」
「それはどういう意味?」
頬の温度が上がるのがわかる。
「よく分からないけど・・・カヲルが他の人とデートしたり付き合ったりするのがイヤってこと」
手も汗ばんで喉もからからに渇いて心臓の音がいつもより耳に入り大きくなっている。
「イヤなの・・・他の人にカヲルを取られるのがイヤなの」
「それで」
「他の人がカヲルに触れるのもイヤだし・・・」
「うん」
「どういうことかわかる?」
「僕も好きだよ」
「それは肉親としての好きでしょ?そういうのじゃ・・」
カヲルの指先が顎に触れるとそのまま壁まで追い詰められる。
「君に怖いって思われるかも・・・だけどそれでもいいよ。アスカが好きだよ。兄弟とか肉親とかそういうのじゃなくてひとりの女の子として好きだよ。愛してる」
そう言葉にするとそのままアスカの唇にキスをする。
「あ・・・あたしも」
そのキスを受け入れるようにカヲルの首に腕を巻きつけるとそのまま部屋のドアを開けた。






つづく。
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