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甘くそしてほのかに苦い気持ち。6話目:葛西えま

引き続きカヲアス(LAK)SSを更新してみました。

いつから書いてなかったんだって程、お待たせしていた続きなのですが・・・
今回ちょっとお笑いな展開に進んでおりますが(汗)
勢いで書いてしまったので誤字や脱字あったりしたらすみません;;


いつもパチパチ拍手やコメントを頂き感謝です^^
9月から返信してなかったなぁーと今頃気が付いてしまい申し訳けないです;;
また改めてすごく遅くなりますがまとめて今後返信したいと思います・・・



先ほどの着信が誰からだって分かってるし、それに出るつもりなんてなかった…
だけどやっぱり少しだけ…ほんの少し何でかけてきたのかは気になってしまう。
少しは気持ちが揺れているのだろうか?
まだ心のどこかでシンジのことを思っているのだろうか?…


アスファルトが照り返し熱気が足元にまとわりつくように暑さとなって体に溜まる。
残暑の暑さなのか?
気だるく息をするとのぼせるようだ。暑さに出た汗が顎から首筋へと流れる。
太陽の位置が高くなる日中、アスカはひたすらもくもくと無言で歩いた。
緑の木々の木漏れ日が身体を彩り、草花の香りがほのかに風に流れ鼻腔を通る。
通りの向かいを走る車の熱風も熱さを運び、どんどん身体から水分をしぼるよう汗が吹き出てくる。
指先を顎元まで持っていくと軽くかいた汗を拭いはらった。

アスカがため息をつくとほぼ同時に腕が背後から伸びてきた。

いきなり勢いよく右手を引っ張られ「ハッ」となった。
考え事に気を取られ周りを全く気にしていなかったのだ。

「…っ。痛い!ちょっと、なにすんのよっ!」
「なにしてんの?信号が赤だよ」
信号が青から移り赤へと変わったことにアスカは気がつきもしなかったのだ。

一度カヲルの顔を見てから「ああ…」と呟くように声を出すとまた考えるように視線を横へと泳がせた。
手がカヲルに繋がれたままになってる事に気がついたのは信号が再び青へと変わった時だった。

歩き出すと同時に前へ手をふると、繋がってた二人の手は自然と離れた。

早足に歩くアスカの後を追うようにカヲルも追うように早く歩いた。




数分程歩くと二人はネルフの施設内にあるカヲルの部屋へたどり着いた。
ドアが開くと中の冷気が心地よく一気に身体を冷やしていく。
着くなりアスカはそのまま洗面所へと足早に入っていった。
洗面の水を出すと顔を数回洗った。
うつむいたままのアスカの顔から水滴が流れ落ちた。
「気にすることなんかない…あれはただの気の迷いなんだから」
洗面台の鏡の中に映る自分に言い聞かせると、側の棚に置いてあった薄黄色のハンドタオルで軽く押さえるように水分を拭き取った。
それを元の場所に置くと顔に貼り付いてしまった髪の毛を指で軽く払いのけた。
アスカがドアを開けるとそこへ立っていたカヲルが頬のあたりに視線をやった。
「顔を洗っていたんだ」
少し拭き忘れていた水の滴をみるとカヲルはなぜか苦笑いを浮かべた。



「それ、ちょうだい」
にゅっとアスカの使うお箸の先がカヲルが食べているお弁当のおかずを狙う。
黄色いダシ巻卵をつかむと自分の口にひょいと運んだ。
「アスカはタマゴ焼きが好きかい?」
「別に・・・ただアンタが食べてるからおいしそうに見えたのよ」
「へぇ・・・」
嬉しそうに口元の端をあげるカヲル。
「アスカでも人の物が欲しいって思うんだ」
「・・・どういう意味?」
アスカの箸がお弁当の手前で止まる。
「いや・・・別に深い意味はないさ」
カヲルの目の奥にアスカの不快な表情が映りこんだ。
「ただそう思っただけだよ。他に食べたいなら食べていいよ」
「もういらない」
すくっとテーブルの前から立ち上がるとテレビのリモコンを手に持った。
「残ってるの欲しいなら食べていいわよ」



ベッドの上に転がるとアスカはテレビをONにした。
昼過ぎの番組らしくどれもアスカの好みそうな内容のものがやってなかった。
チャンネルを何となく変え始めるが全く興味のないものばかり。
「面白いものやってないのね」
ぼそりと呟くと隣にお弁当を食べ終わったカヲルが隣に腰を下ろして座った。
「退屈なら・・・さっ」
アスカに近づくとカヲルはそのまま後ろに腕を回した。
「なっ!なによ!また?!」
身体を強ばらせ頬を赤くするとその意味に気がつきカヲルは笑い出した。
「違うよ。襲ったりしないってば・・・アハハ・・・ごめんごめん・・・」
「え?」
返された言葉が上手く脳内で繋がらず少々戸惑うが、やがてムッとした表情をカヲルに向けた。
「じゃあ、なによ!」
「後ろのソレを取ろうと思ったんだけど。誤解させて悪かったね・・・」
まだおかしいのかカヲルは笑いながらそれを手にした。
「これこれ。最近もらったんだ」
そう言うとアスカにゲームのパッケージを見せてみた。
「なに?これ?」
「青葉さんにもらったんだけどなかなか面白いと思うよ」
「アンタこんなのやるの?」
恋愛シュミレーションやマリオなどのゲームソフトを見せられると本人にあまりにも似合わなく思い
アスカも思わず噴出しながら笑い始めた。
その1本を手にとるとマジマジとパッケージをガン見した。
「・・・なにコレ」
それはR指定の入ったゲームで裸の女の子といちゃいちゃしたり仮想恋愛っぽいゲーム内容のようだった。
「ああ・・・ソレは・・・」
カヲルが顔を赤らめると1度はやってみたんだという事に気がついた。
「エッチ!!変態!!」
「・・・言い訳するつもりはないけどなかなか面白かったよ。君もやってみるかい?」
「なに言ってんのよ!」
「上手く進めたらいい感じに女の子とそういう関係になれるけど、うまく進まなかったらバッドエンドになるんだよ」
そのソフトをゲームの機にセットするとカヲルはスタートのボタンを押した。
「ちょ!なに?!アンタこれあたしの前でやるつもり?」
首を左右に振るとカヲルはアスカにコントローラーを手渡してみた。
「君がやるんだよ」
「ちょっとなに考えてるのよ!!」
手渡されたコントローラーをカヲルに押し付ける。
「何?アスカはこんなの難しくってできないってことかい?」
「アンタ・・・このあたしに出来ないことがないって知っててその言葉を言ってるのかしら」
「じゃあ、やってみせてよ」
「だけどあたしがやっても面白くないじゃない・・・だってコレ男の子がするゲームじゃないの・・・」
頬を赤らめるアスカがあまりに可愛らしいものだからもっと苛めてやろうかとも思ったが、これ以上は危険と判断しカヲルは別のゲームソフトを入れ替えた。
「コレは女の子向けだよ」
「どうして・・・青葉さんこんなのまで持ってるの?」
「さあ・・・面白いから買ってみたとかそんなんじゃないのかな?」
「面白いもんなのコレ?」
パッケージ絵には執事数名と女の子が中心にいて、なにやらこれもシュミレーション系かとアスカは思った。
またしてもR指定っぽい内容だったが・・・
「まあ、退屈だしやってみるけど・・・」
カヲルとはほんの数センチしか距離がないので落ち着かない気分なので、もうちょっと向こうに行ってと彼を押しのけた。
1度座りなおすとスタートのボタンをアスカは押した。


「ちょっと!ちょっと!!何よぉぉぉー!!」
ベッドの上で大暴れしながらコントローラーを押す。
意外とそのゲームはアスカにも好評だった。
画面にはバッドエンドになった悲惨な光景。
「こんなはずないのにぃ・・・」
悔し紛れにカヲルを睨みつける。
「アスカが選択するセリフとかあんまりだと・・・」
「このあたしが間違いを選んでるっていうの?!」
「そこはだって、こっちを普通選ぶと思うんだけど」
「そんなの選んだらコイツ調子に乗って何するかわからないじゃない!!」

数時間何度やり直してもアスカが見るのはバッドエンドだった。

引継ぎカヲルが同じようにそのゲームをすると違ったエンディングだったことは言わずと知れていた。




つづく。
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